入院前の生活、入院療養中の経過、ご家族のこと、経済的なことなどを踏まえて、退院後の生活について考えましょう。青和病院では、患者さまを中心とし、ご家族とともに、医師・看護師・精神保健福祉士、作業療法士などのスタッフみんなで、退院後の生活について一緒に考えていきます。
例えば、
Dさんは30代女性。統合失調症。印刷会社で短時間労働をしながらアパートで単身生活を送っていましたが、数ヶ月前に不眠により調子をくずし、4階心の治療病棟に入院しました。薬物療法と休養、作業療法により回復し、退院を考える時期になりました。
Dさんは、ご家族や関係スタッフと一緒に、退院に向けて話し合いました。 話し合いでの提案やアドバイスも取り入れて、Dさんの退院後の生活は少しずつ形になっていくでしょう。
Dさんの思い
家族の思い
Eさんは40代男性。双極性障害。これまで何度か入退院を繰り返し、今回の入院はやがて2年になろうとしています。2階リハビリテーション病棟での生活は安定してきていますが、季節の変わり目などに不安定になる傾向です。当院の外来サービスや社会復帰施設など、福祉サービスを利用した形での退院を考えることになりました。
Eさんは、退院・施設入所に向けて準備をすすめることとし、スタッフと共に施設見学に行きました。そして、それぞれのサービスがどんな特徴があるのか整理してみました。病棟スタッフ、施設スタッフとのやりとりや、体験利用を重ね、Eさんは新しい生活を組み立てながら、退院日を待つことになるでしょう。
Eさんの思い
家族の思い
Fさんは80代男性。認知症。要介護2。物忘れに加えて徘徊や怒りっぽさが目立っていましたが、3階老年期病棟での1カ月の治療により、穏やかさを取り戻しつつあります。しかし、足腰の痛みがあり、車椅子を使うことが増えてきています。病状が安定するまで、もうしばらく入院療養が必要ですが、認知・心理面だけでなく、身体機能面からも、今後の方向性を考えて、準備をすすめておく必要があります。
Fさんに関わる病棟スタッフは、ケアマネージャーと共に、ご家族をまじえ、退院後を見据えた検討会を開きました。Fさんの症状と、ご家族の介護力に応じたサービスを選べることが明確になりました。ご家族は安心して、退院について考えてゆけそうです。早い段階から、Fさんに関わる人たちが連携をとっていくことで、退院時にはスムーズに医療から福祉にバトンタッチすることができるでしょう。
Fさんの思い
家族の思い